ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/12/3

Yと会う。バターの香るワッフルを端から切り分け、バニラアイスと生クリームと飴色に煮られたりんごとをナイフとフォークで器用に乗せながら、ここ2ヶ月ほどの話をした。パンケーキとかクレープとかを頼むときは2人とも大概、アップルシナモンを選んでいる気がする。

もし数年前に同じことが起きていたら、立ち上がるまでにもっと時間がかかっていただろうし、結末だって変わっていたかもしれないね。大人になったもんだよ。そう言って笑い合えるのは、共感できる部分や想像できる範囲が広い、旧知の仲だからだ。ここでしか交わせない言葉でもって、軽くなる胸のうちがある。

色づいた銀杏で華やぐ原宿をあとにして、秋葉原へ。多種多様なメイド服に身を包んだ女性がビラを配る通りを抜けて、電気工具屋を巡る同居人について回る。向かいの店の換気扇から吐き出されるナポリタンの匂いが、十字路の上空を満たしていた。