ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/12/2

冷凍庫から取り出してすぐの肉を鍋に突っ込むような気持ちで、寝起きの全身を湯に沈めた。キシキシと鳴る喉に恐れていたほどの痛みはなく、人間の回復力にはまったく感動する。無事でよかった。そう思えるほどの日々に戻ってこられていることがまずうれしい。

クリーニング屋にコートを預け、家からあまりに近すぎて行きそこねていた古着屋を覗く。渋い色味のコーデュロイのパンツや年季の入った革のジャケットなどが破格の値段で並んでいる。うちは安いだろう、100年つづく問屋なんだよ、と店主のおじいさんは嬉しそうに話して、昭和時代の領収書のようなものまで見せてくれた。

5、6年使い続けたワイヤレスイヤホンの接続が不安定になってしまったのでヨドバシカメラへ。Bang & OlufsenのBEOPLAY EXを買う。色はゴールド。5万近くしたけれど最近の自分への労いとして買うにはまったく惜しくない。心が躍るものを選んでいかなかれば。

www.bang-olufsen.com

余白を塗りつぶすことの惜しさや恐ろしさを跳ね除けられるくらいに、これからをこれからも続けていくための足がかりが広がることを喜べる2人であると確かめたくて、約束を形にすることを持ちかけた。見て触れられるものにすることで意志の硬度は上がる。守れなかったことを罰するためではなく、守ろうと努め尽くしたことを称えるために、指を切りたい。