ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/3/21

この家は春一番が吹いたって音を立てて軋むから、地震なのかそうでないのかパッと判別がつけがたい。肌が粟立つような警報がスマホから鳴り響いて、やはり揺れていたかと理性的に理解する。即座に窓に手を伸ばし、バンと開け放ったらガス栓を閉めにキッチンへ。みしみしと縦に震える箱の中、次は何をすべきか、妙に冷えた頭で考えている。

昨日から具合が悪そうだった同居人がついに発熱。おそらくは食あたりのよう。感染する類のものではなさそうだが、念のため部屋を分けて過ごす。私は私で気が参ってしまった。それでも齧りつくようにしてなんとか。たいした者ではない。たいしたこともない。一日にやれることも、一生をかけて成せることも。それでも生きているうちはなんとか。