5月6日。レモネードの甘みが息切れを起こしていた体によく染みる。
5月7日。サメはマグロをさらにさっぱりさせた味。
5月8日。大きな手のひらに上から抑えつけられているみたいに体が重たい。偏頭痛というやつ。運転免許証の更新センターの職員はRPGの村人のよう。何度となくそらんじたであろう案内を読み上げ、指定の紙を手渡し、順路を導いてくれた。証明写真の映りは今までで一番だった。
5月9日。光が手に取れそうに近い場所で足を投げ出していると、本来の姿勢を思い出せそうだ。ここじゃないとかこれじゃないとか、そう感じるときのざわつきやためらいを、覚えていたい。
5月10日。一歩も家を出ないまま夜になった。同じ視界にばかりいると気がもたなくなる。目線も思考も浮遊する時間が、一日に多少はなければ。