ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

命の焼け跡

5月5日。子どもの日。部活に励む少年たちの声が中学校の体育館から聞こえる。あちこちの空に鯉のぼりが泳いでいる。

カフェの2階で奥山由之の写真集『BACON ICE CREAM』をめくる。写真のよさは光で決まる、と聞いてから、そういう視点で自他の作品を眺めるようになった。胸を打たれる一枚や瞳に焼き付く一枚を目にするたび、この人にはこんな風に世界が映っているのかと羨ましく思う。黒が青くてきれいだ。口に含みたい白をしている。

帰省から戻ってきた恋人とグラスを傾ける。さっきまでそこにあった命が、ある一点を境に失われる生々しさを実感するような話を、偶然にも複数人から聞いてきたらしい。困惑した顔でうなだれながらも、元気なときにぜひ見て、と鶏を屠る動画の視聴を勧めてくれた。

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