暗いな、と感じることがここ数日続いている。性格が、ではなく、部屋が。一時期の日照量が尋常でなかっただけでこれが普通なのか。朝自然と目覚めるにはじゅうぶんな明るさであるものの、一日家にいて作業をするにはどうも気分が上がりきらない。
足りないと感じるのは太陽のせいだけではなくこちら側の問題でもあるだろう、と考え、ぐるりと近隣を歩いて日光を瞳孔や表皮から取り込む。外に出ればしゃんしゃんと日は照っていて、徒歩5分そこらの図書館まで行って帰ってくるだけで襟元をバタつかせずにいられなくなった。
陽の熱を首に浴びると少しホッとする。特に空調によって長く整然と冷やされたあとは、ちゃんと地球に戻ってこられたような安堵感に包まれる。ものの数分でその感覚も気だるさに様変わりするとはいえ。
金曜だから、と駅の向こうまで歩いて行きつけのバルへ。他にお客さんはおらず、マスターは私たち2人とよくおしゃべりをしてくれた。使い所のない国家資格持ってたらおもしろくないすか、とか。今テレビに映ってるこのサーキットレース24時間走るんすよ、とか。
途中からカウンターに仲間入りしたイングランド出身の男性とともにその場限りの会話を交わす。そこそこ酔った頭でやる大学以来のリスニングで脳がよたよたになった。きっと手加減というかだいぶやさしい表現を使ってくれていた感じはしたが。まあまあ聞き取れただけ中高の勉強も無駄ではない。
日本の歌が好きなんだ、たとえばICHIKO AOBAっていう歌手がcoolで、知らない？ と言われてスマホにメモをする。おあいそしたあとはグッナイと伝えた。
