ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/12/25

食洗機の取り付け工事を見守る。舗装工事の真っ最中である狭い十字路を台車を引き引きやってきた業者の方は、傾斜の急な我が家の階段に驚きつつも大きな段ボールをわっせと抱えて2階に上がり、垢で白く固まった水栓をもぎ取って、シンクの隣に板と足を噛ませて土台をつくり、ブラウン管テレビに空気を入れてもう一回り膨らませたようなグレーの直方体をでんと備えつけてくれた。キッチンの三分の一ほどを占めるそれの存在感に目をぱちくりとさせながら、しかしこのくらいの大きさがないと小鍋ですら入らないし、と納得する。

本を読むのに少しつかれ、フリーゲーム『ファミレスを享受せよ』をプレイする。以前途中まで遊んでいたのだがうっかりブラウザバックして最初からやり直しになり心を折っていたのだった。各々の孤独を抱えながら永遠のファミレスをたゆたう、黄と青のシンプルな色と線で描かれたキャラクターたちが、真夜中に浮かぶ月に照らされる水中生物のように静かに息をしていて、穏やかで少しさみしげなBGMとともに心が凪ぐ。簡素なつくりである分テキストの魅力が際立っていて、心地よかった。

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