ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/1/27

藝大の卒展を観に行こうと調べたら会期は明日からだった。それならと映画を観ることに。「東口(南)」などという迷わないほうが珍しい表記にまんまと惑わされて池袋をさまよう。それでも予告がはじまる10分前に席に着けるくらいには余裕をもって映画館にたどりつけた。

『カラオケ行こ!』は前評判に違わぬいい映画だった。鑑賞後に本屋を3、4軒回ったがどこも原作は売り切れていて、帰ってから電子で買って読んだ。オリジナルの設定がふんだんに盛り込まれているにもかかわらず、それらがまったく余計なものに感じられないのは、原作の雰囲気や核となるものを丁寧に取り出したうえで、映画というパッケージに仕立て直すのに必要な要素を足し引きしたからなのだろう。これまでできていたことができなくなっていくことへの戸惑いや不安を乗り越え、大事な人のために恥や恐れをかなぐり捨てて全力で走って全力で声を上げる様が、ピカピカ光っていた。