掛け布団を引き剥がして半身を持ち上げる。細く開けた窓から吹き込むひやりとした朝の空気に顔を晒す。まだぼんやりと火照ってはいるものの、少しすれば落ち着きそうだ。大事をとって仕事は休む。今日はゆっくり過ごす。
喫茶店でたまごサンドとアイスコーヒーをいただきながら、古賀史健『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を読む。自分が言葉を扱う中で無意識に心がけたり信じたり縋ったりしていることを、それでいい、それがいい、なぜならば、と筋道を立てつつまっすぐに肯定してもらえて、勇気が湧いた。書くならここまでやるべき、ここまでやってこそ書く人、といった指摘も胸に刺さるものがあった。まだまだもっと、楽しめそうでうれしい。
甘いにおいをかぎたくてバナナケーキを焼いた。一口サイズに切ってタッパーに詰める。今日は珍しく地域猫にちっとも出会えなかったけれど、小屋の中で丸くなっている犬の寝顔はのぞけた。
