ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/11/29

想像の映像が脳裏にちらつくのを遮るために、耳から流し込む音量を上げる。見たわけでもないのに見てきたかのように鮮明な輪郭が、まばたきの都度まぶたの内側に浮かぶから、なるべく目を開いたままにする。

しかしそれなりに元気にはなった。痛みを乗り越えて傷が癒えていく過程に立つたびに、徐々に平気になり大丈夫になっていくごとに、これで本当によかったのかと惑う自分がいる。それでもどうしたってなかったことにはならないのだから、血も涙も痕も震えも抱きしめ慈しみつつ、どんな未来を迎えるかが大事だ。

飲みの2次会にまで居残ったのは久しぶり。ヤクルト1000を2本買って帰ったら同居人もまったく同じことをしていて4000億個の乳酸菌が冷蔵庫に並んだ。風呂上がりにチャイとシュークリームと近頃の話を食卓に持ち出して分け合う。なんでもない話をなんでもなくすることが楽しいと思える時間を守りたい。何度だってそう思う。