ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/12/15

最終出社日。7年8ヶ月在籍したこの会社で働くのも今日が最後。どんな挨拶で締めくくったものかとメモ帳を開いてしばし考えたが、見捨てないでいてくれてありがとう、おかげで強くなれました、と伝えられたらそれで十分な気がして、そのように書いてSlackに流した。

会う人会う人に礼を伝えてこれまでとこれからの話を交わす。こんなにもたくさんの人たちと交差してきたのかと、過ごしてきた時間の長さや触れてきた表情の深さを思い起こした。あなたは手を取るように向き合って語りかけてくれるから、けっして派手ではないのにしっかりと胸に沈み込む余韻を残す人です、と告げられてうれしかった。

駅まで歩きながらリュックの脇ポケットに手を伸ばして社用携帯を探っても空を掴むだけだった瞬間に、たしかな区切りを感じた。もうあの人たちの内側に立ち入ることはできない。そうしてよそ者になる。実感がいまいち持てていなかった胸に、急に冷たい夜風が吹き込んだ。