ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/2/5

地面をまぶしく均す雪の舗装に玄関から踏み出したばかりのスニーカーが埋もれてきゅっと音が鳴る。コンビニまでの徒歩3分の間にビニール傘の表面はすっかり白く覆われた。軒下やマンホールにできた薄氷で足を滑らせて今買ったばかりの餃子とおでんをひっくり返してしまわないよう、靴底を真下に下ろしながら踏み締めて歩く。

歯切れのわるい堂々巡りの思考の外に一歩歩み出せた気がして少し身が軽くなった。私が今どこで誰と何をしているかは過去の私の決断や意志の賜物であるが、だからといってそのように生じた結果やその結果からさらに生まれた別の結果までのすべてを、甘んじて受け止める必要はない。至らなかったかつての私が悪いのだから今の私にはその責任を取る義務があり瑕疵はもれなく飲み下さなければ、と考えることはさすがに自罰的すぎる。どうとでもできると思えばどうでもよくなるものでもある。曲げられないと思うから硬い。

信じてほしいと、頼ってほしいと、そう言われたとき、どう返せばよかったのか。まずはあなたを知りたいと、今なら告げるだろうか。あなたは何を思い何を考え何を守り何を捨てて何を愛し何を嫌って何に泣いて何に笑うのか。あなたの言葉であなたの口から教えてほしい。人伝てではなく。目を見て。