ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/2/6

向かいの家から聞こえる物音が夢と現との渡し船になった。しゃ、とシャベルが差し込まれ、どさ、と傍に寄せられる、雪の座り位置の移り変わりをまだぼんやりとした頭と耳で感じ取る。ベッド近くの窓から見える隣屋根は真っ白で、おかげで寝室までピカピカと明るい。

買い置きのパスタが切れて昼休みにスーパーへ。住宅の隙間を縫う道という道には、それぞれの住人がつくったであろう雪かきの跡と、顔や腕まできちんと備わった雪だるまが並ぶ。店の入り口で機械にあたためられている焼き芋の甘い香りに空腹を刺激されながら買い出しを済ませた。惣菜の焼売にはこれでもかとぎゅうぎゅうに中身が詰まっていた。

仕事終わりに歯医者へ。歯列矯正のカウンセリングに向けた事前の資料撮影とのことで、ものの15分ほどで終わった。小型のライト付きカメラで口の中をぐりぐりと照らされるのはまあいいとして、光っている間に音楽が流れる作りなのにはちょっと笑った。

ここの歯科医師さんたちは医者というよりもIT業界のビジネスマンを彷彿とさせる物言いをするから少し親近感が湧く。いきなりノーデータでカウンセリングをするのも非効率ですからね、今日撮った写真を担当にメールで送っておくんで、そしたらある程度あたりがつけられますから、とか。

ようやくHARUTAのスポックシューズを新調。先代は厚底のガラスレザーだったが今回は薄底のスムース素材。買い換えるなら今度は薄底にしようと前々から考えてはいたものの、3日前に建築事務所での展示でばったり再会した大学の後輩さんが履いていたのがスムース素材のそれで、ああやっぱりいいなと思ったのが決め手だった。

通りすがりの人の格好を見て私もそのような装いがしたいと思うことが多い。5秒見つめてまばたきをしたらどこで買ったものかわかるようになってほしい。服の好みがどんどんボーイッシュでシンプルなものになりつつある。LUMINEのマネキンはすっかりコートを脱いでいた。