ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/2/7

伸びた分の髪を切って染めてもらう。もう少し暗めの色でもよかった気がするが、じきに慣れるだろう。担当してくれた美容師さんは笑うと目尻にしわができる人で、黒のエプロンを着けているのも相まって南極料理人堺雅人のようだった。

ふらふらと美容院をジプシーしていて落ち着かない。施術を終えるたび、引っ越しするまでお世話になっていた方にやっぱりお願いしたくなってしまう。たしか育休中だったか。復帰の時期がわかったらまた切ってもらおう。

真っ昼間のアメ横から見上げる空は、栓を開けてすぐのラムネ瓶みたいに高く抜けて青くて狭い。ただ雲ひとつない爽やかな色の下にさまざまな国籍の人と客引きの声があふれかえっているのは少しコントラストが強くて。今ここにいる自分を頭上から見下ろしてみたらめまいがしそうになった。足早に通りを過ぎる。

以前サンマルクを食べておいしかった洋菓子屋に赴き、バレンタインのチョコケーキを頼めるか聞いてみたところ、4、5人で食べてちょうどいいサイズのものなら、と返されてうーん。それならホールで頼まずショーケースからいくつか見繕ってちょっとずつ食べるほうが楽しいかもしれない。同居人とも相談することにして、ひとまずは参考にガトーショコラを1つ包んでもらう。

この季節なら晴れの日の17時台が好きだ。ぽつぽつと街灯がともり、学生が連れ立って下校をして、夕飯を支度する音や匂いが街に行き渡りはじめる頃合い。夕焼けが見たいので休憩に入ります、とか言ってもたぶん大丈夫な会社にいるのは、とても幸いなこと。