ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/9/27

眠りが浅いから夢見がわるいのか、夢見がわるいから眠りが浅いのか。寝ている間の頭の中を気がかりなことが四隅までびっちりと支配してきて息苦しい。ただ起きたところで現実にはその気がかりなことの本体が待ち構えているから八方塞がりとも言える。逃れようと開いた目を思わず閉じて、そっと諦めてまた開く。

頭にもやがかかっているような朝にこそ、ちょっとでもいいから本を読むようにしている。紙に書かれた文字を追うにつれ、やわらかな大地の上に足をつけている感覚と、呼吸の仕方を思い出す。今ここにあるのは自分の体で、今ここにこうしてあるのは自分の意志の賜物で、今ここでこうして息を吸って吐いてまた吸えているのは紛れもない事実だと、確かめながら言葉を拾う。

こめかみに拳をねじ込まれるような痛みを受けながらも、ベッドから出て身支度を済ませ、働いて食事をとり、日記を書いている。昼はきのこを割いて軽く炒め、酒と煮詰めてパスタに絡めて食べた。夜は封を開けたばかりのあきたこまちを炊いて、焼肉と一緒に頬張った。お釜の中で誇らしげに光を放つ一粒一粒が、食卓をぴかぴかと輝かせている。この瞬きをまぶしいと思えるうちは、やりきれないことがあっても、書きたいものをうまく書けなくても、なんとか明日に向かえる。