ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/10/12

小谷野敦『とちおとめのババロア』を読み終える。表題作のテーマには興味を惹かれたがそれきりで、他の話もあまり自分には合わなかった。

主人公の目線や語りに自己投影なり共感なりがあまりにできないと、飲み屋などで他人の話を聞くともなしに聞いているような気持ちになる。立場や価値観が異なる人の、考えや言動を追えるからこそ小説なのだと思う一方で、なんでそこでそうなるのかがわからないままどんどん先に進まれると、どうしても置いてきぼりは食らう。

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昼まで在宅勤務の同居人がお昼をつくってくれた。ジェノベーゼ風大葉ソースを絡めたパスタに、ゆで汁を使った鶏ガラスープ。油と塩気の効いた味に、おいしいねえと何度もつぶやく。かぼすの万能調味料を振ると、クレイジーソルトがピリッと効いて、さらに深みが増した。

同居人がつくる料理は味が濃くがっしりとしている。自分がつくるとさっぱりとした和風の味つけになることが多い。おそらくは実家でどんなものを食べてきたかの影響が表れている。