ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/12/17

同居人の誕生日。プレゼントにリップクリームとハンドクリームをあげた。こまめに使ってくれるといいなと思う。体の先端までしっとりとなめらかな大人は隙がなくて色っぽい。

ヨドバシカメラで食洗機を見る。自炊をしたり飲み物を淹れたりする頻度が高くなっていて必要性が高まったところでちょうどクリスマスも近く、言い訳ができた。

10万を超える買い物も折半すればハードルが下がるから、共同出資ができる同居生活は都合がいい。取り付けもちょうど25日になりそう。ハッピーなカウントダウンを自分たちの稼ぎで自分たちにもたらす喜びを、手続き用に並べられたちゃちな丸テーブルを囲んで分かち合った。

高円寺を散歩。引っ越して家から特別近いわけでもなくなってしまったのに、駅に降り立つたびににんまりと笑みを浮かべるくらいには街が好きすぎて、ちょくちょく通っている。

アーケードから一本外れて西友のある通りに出て、服屋をいくつか覗いたあとにヤンヤンに寄る。入り口まで伸びる急階段を見上げ、今度こそは無事にのぼりきると意気込んだ同居人は、4、5箇所ほどある出っ張りのトップバッターに早々に頭をぶつけてうめき声を上げていた。

厚みのある木材のどっしりとした色味に包まれた屋根裏めいた空間で一冊一冊丁寧に選ばれたであろう本に囲まれていると、胸の内にある波が穏やかに引いていくような感覚に見舞われる。本来の居場所に戻ってこられたと心が喜んでいることがわかって、静かに息を吸った。

西荻窪の創作料理屋で夕飯。思ったよりも天井が高く、すこんと音が頭上に抜けていきそうな心地よさを感じる。カウンターでいくつか料理を頼んでお腹を満たす。

十字の切り込みの真ん中にバターを抱いたホットケーキが、スキレットの上で誇らしげに膨らんでいるのを見た私たちの目は、きっときらきら輝いていた。ふわふわがなるべくふわふわなうちに食べたくて、ナイフを入れる時間も惜しいほど。

あんなホットケーキを自分たちでも作ることができたら、家がもっともっとカフェみたいになるね、と話しながら、酔い覚ましに一駅歩いた。