ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2023/12/22

プレゼントは背景含めてのプレゼントだと思うので、と送ってくれたメッセージを読み返しながら、包装をひとつずつ解いてじっくりと手のひらに眺める。 Wi-Fiの調子がわるく電源を抜いたり差したりパスワードを入れ直したりとしているうちになんとか解消。つながっていたスピーカーの時計も元通りの時を刻みはじめた。

時間指定のできない荷物の受け取りに備えて家の中で過ごす。空が光っている、とのつぶやきをSNSに見てベランダに出ると、真っ赤に染まった空がじわじわと近づいてくるのが目に映った。薄切りにした玉ねぎと豆腐を出汁で煮込んで溶きたまごで封をする。ここ数回の中では出来のいいほうに数えられるかぼちゃの煮物を平らげたあとに、今日が冬至だと気づく。

我妻俊樹・平岡直子『起きられない朝のための短歌入門』を読んでいる。そのものやことの姿かたちや有様を表す言葉のひとつひとつが、露に映る白い光のように逐一きらめき、付箋を貼る手が止まらない。言葉はもっと自由で、世界はもっとジェル状で、ぶにぶにと沈み込む地面に足を奪われるその感覚を、湿った唇で語れるといい。