ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

スカートと風景

6月18日。『今井俊介 スカートと風景』東京オペラシティ アートギャラリーで観る。キャンバスにぴっちりと詰め込まれた図形が放つ、目を貫かんばかりの色彩に、平衡感覚を揺るがされてふらふらになる。通し番号1番の作品が特に印象的だった。自分が極める道筋に気づいた瞬間の、確信を覚えて震える手を、なんとか押し込めて描き上げた、作家の早る息遣いが感じられて。

うねる首都高を見上げて駅裏に回り、ドトールで作業。ひと段落したあたりでスマホを見ると父から電話。店を出て掛け直すと、父の日のクッキー缶が届いたからお礼の電話を、とのことだった。散歩する犬と人が行き交う遊歩道をうろうろと歩きながら10分ちょっと話す。歳を重ねるごとに家族と話すのが楽になってきている実感がある。考えや気持ちの否定もしなければ、夢を応援してくれたのもうれしかった。

スピッツの声ってずっと変わらないよね、と恋人が言う。でもお湯にさっと潜らせたくらいの違いはあるんじゃない、と返す。まろやかにシャッキリと鮮やかになった、アスパラガスみたいな歌声。