ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/3/10

セットアップをまるごと買うのに数万円をぽんと出すのは気持ちがいいことだろう。昨日手に入れられずにいたブルゾンと対になるボトムが見たいと言う同居人に連れ立って吉祥寺まで足を運んだところ、サイズ違いのトップスとも出会うことができ、結局一式を持ち帰ることに。ギリギリまで片方だけを買うにとどめておくかとも悩んでいた彼は紙袋を片手に、やっぱり決断は大きく、と誇らしげに述べた。

別の用のため移動する同居人を改札で見送り、続けてあたりを練り歩く。井の頭公園は散歩にはうってつけの陽気に包まれており、地域の住民ではなさそうな男女がそこかしこで日に当たっている。木々や池が音を吸い込んでくれているのか人の多さのわりに喧騒はそこまで耳障りでなく、木漏れ日が散る脇道に逸れれば急に静かになった気さえした。

新古書店「一日」で阿波野巧也『ビギナーズラック』を買い、「古書 防破堤」でじっくりと棚を見回す。震災関連の書籍に手が伸びたものの、今の自分が求めているものにカチリとはまる感じを覚えられず戻す。時計雑貨屋「atelier coin」で年始に空港で失くした真鍮の指輪を買い直し、その場で少し磨いてもらった。押し車やリュックサックにおさまる小型犬とよく目が合う街だった。

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