ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

2024/3/9

毎週末のように服を求めて街を歩いている。今日は青山を散策。同居人の目当てのブルゾンは入荷から1時間弱で売り切れてしまったらしく試着すら叶わず。私がずっと探していた白ステッチの濃色のデニムパンツはガラス張りなのに薄暗くちょっと近寄りがたい雰囲気のお店に勇気を出して入ったらそこにあった。着るべき服はずっと身につけていたかのようにするりと馴染む。そうだね、これこれ、と納得する。

強く吹く風が思いのほか冷たく、外にいるとどんどん体温が奪われていく。映画の上映までまだ時間があったので、同居人を原宿駅まで見送ったあと、なんとか滑り込んだスタバで一息ついた。向かいのビルのガラス窓にさらに向かいの建物が反射して合わせ鏡のよう。高層建築で埋め尽くされた視界に空が覗けるほどの余白はもう残っていなかったが、刻々と暮れてきていることは映り込む紺や橙からうかがえた。

映画『ゴースト・トロピック』をBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で観る。どの場面を切り取っても画が美しく、ねむれない夜をほのかに照らす枕元の明かりのような作品だった。扉を閉めて電気を消したあとにもつづく日々の静けさが、丹念に掬い取るように描かれていた。警備員が案内する薄闇にけぶる商業施設と、コンビニで出会った女性がハンドルを回す車中の映像が、記憶に残った。

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