ことのあらまし

日々のあらまし、いつか平気になるための記録

展示

2024/4/6

東京国立近代美術館で『中平卓馬 火ー氾濫』を観る。 言葉ではこぼれ落ちるものを掬い取るため写真家に転身した元編集者という出自や、雑誌のコラムに載せたり同人の作品集をつくったりしていた頃の鮮烈な一枚一枚に引き込まれた一方で、アル中に倒れて記憶…

2024/3/31

朝6時にすっと目覚めて心地いい。昨日に引き続きの晴天をベランダから確認していそいそと洗濯機を回す。 友人の結婚式に向かう同居人を玄関で見送って読書にふける。真昼の陽気で部屋の隅まであたたかく、汗が滲むほど。網戸から吹き込むささやかな風を受け…

2024/2/10

どんな呪いになぜかかっているのか、という話をたびたびしている。こと旅先のカフェで交わすことが多いのは、ゆっくり向き合うきっかけになるからか。焼きたてのワッフルに刺し入れられたナイフの切先に、レモンソースがまとわって艶めく。 何を負って何と戦…

2024/1/28

藝大の卒展へ。大学美術館の地下にある日本画の部屋がやっぱり一番好きだった。毎年ここで痺れる思いをしている。 ただすべてを隈無く観て回れたわけではないにしても、出会い頭に殴られたような衝撃を覚える作品が数年前より少なく感じられたのは、私の感性…

2023/10/28

吉祥寺へ。気になっていたカレー屋イマサラガラムマサラで、牡蠣ほうれん草バターとピーナッツバターチキンの2種盛りを頼む。汁気の多いルーが細長いターメリックライスにサラサラと馴染む。控えめな辛さですいすい食べられた。 GALLERY IROで『GALLERY IRO …

2023/9/3

図書館から帰り和室の襖を開けると、友人2人と同居人の計3人が文机を囲んで打ち合わせに勤しんでいた。ベッドを解体したときの端材を使って什器をつくることにするらしい。玄関の隅に追いやっていた粗大ごみが途端に有用なものになるのだから、大工仕事がで…

2023/8/27

東京国立博物館で『古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン』を観た。 mexico2023.exhibit.jp 人身供犠に臥される瞬間とはどんな気持ちなのだろう。痛みや苦しみを上回るほどに信じられるものが本当にあるのならば、そんな対象に向かって我が身を奉じ…